ふきょうこうじかい/不敬好時戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第三〇戒。仏弟子でありながら悪心から三宝を謗り、馴れ馴れしい素振りを見せ、空を説きながらも物事に執着があり、在家のために男女を行き会わせ、六斎日や三長斎月において殺生・劫盗・破斎・犯戒をなすならば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。戒の命名からは斎日の修善がとりわけ重視されていることが窺える。なおこの戒のどこまでが出家・在家のいずれに向けたものかは不明確であると指摘される。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】