あらゆる機根の者を普く利益すること。口称念仏が、すべての衆生を対象とし、摂取すること。阿弥陀仏は衆生をもれなく摂取するために、称名念仏を本願とし、衆生はそれにしたがって念仏することで往生が可能となる。『四十八巻伝』に「浄土一宗の、諸宗に超え念仏一行の諸行に勝れたりという事は、万機を摂する方をいうなり」(聖典六・七〇二)とあるように、念仏の実践はあらゆる衆生を対象としたものである。
【資料】『一枚起請文梗概聞書』、『一枚起請講説』
【執筆者:石田一裕】