一巻。伝源信作。『往生要集』大文第二に説示される、浄土十楽の内容を和讃化したもので、全四一六句から成る。本書の成立には疑問が多く、先述の浄土十楽をそのまま引用している点や源信に『十楽講作法』という著述があることなどから、源信に仮託されたものと考えられている。また『長西録』には、蓮心房正空作として『十楽和讃』があげられている。
【所収】『恵心僧都全集』一(思文閣、一九七一)
【参考】宝田正道『日本仏教文化史攷』(書苑、一九八五)
【参照項目】➡十楽
【執筆者:和田典善】