此の穢土を捨てて彼の浄土へ往くこと。良忠は『往生礼讃私記』上に「往は謂いわく捨此往彼、生は謂く蓮華化生なり」(浄全四・三七七下)と説き、この一句と「蓮華化生」とで往生の意味とする。また法然『往生要集大綱』にも「往生と言うは捨此往彼蓮華化生なり」(昭法全一七/浄全九・三七三上)とあるが、この箇所は義山によって後に補われたものであると考えられる。
【執筆者:曽田俊弘】