真実の報土のこと。また智顗の説く四土説の一つである実報無障礙土むしょうげどのこと。浄影寺慧遠は『大乗義章』一九、浄土義において、真浄土は法性土、実報土、円応土の三種に分けられるとする。迦才『浄土論』上では、報土に実報土と事用土じゆうどがあり、実報土とは仏のみが見ることができる世界、すなわち自受用土とされる。智顗の説では初地以上の菩薩が住する国土とされる。いずれにしても凡夫は往生できない世界とされ、善導らの報土解釈とは異なるものである。
【参照項目】➡極楽、三土、四身四土
【執筆者:曽和義宏】