しせん/紙銭
先祖や神を祀る際に捧げられる模造紙幣。沖縄での紙銭は、ウチカビ、カビジンなどと呼ばれ、黄土色の紙に銭模様が捺してある。清明祭や盆での墓参り、年忌などの先祖供養に紙銭を焼くことにより、子孫からあの世にいる先祖に金を送ることが出来るとする。また御嶽と呼ばれる聖地などで神を拝む際にも紙銭を焼く。元々は中国で行われていた習慣で、中国では金紙、銀紙をはじめ種々の紙銭があり、その用途は場所によって様々である。
【参考】瀬川昌久「紙銭・紙衣・符」(物質文化研究会『物質文化』四五、一九八五)
【参照項目】➡六文銭
【執筆者:名和清隆】