四種三昧
提供: 新纂浄土宗大辞典
ししゅざんまい/四種三昧
智顗が『摩訶止観』の中で説いた天台宗の修行方法。修行形態により常坐三昧、常行三昧、半行半坐三昧、非行非坐三昧の四種に分かれる。常坐三昧は静かな場所で一期九〇日の間、黙してもっぱら結跏趺坐し実相を観じる。常行三昧も一期九〇日として堂内に阿弥陀仏を安置し、その周りを行旋する。阿弥陀仏の名を称え、阿弥陀仏やその世界を念じる。半行半坐三昧は坐禅と行道を併せ行うが、常坐三昧、常行三昧を併行するのではなく、方等三昧と法華三昧の二行による修法である。坐禅と行道のほか、懺悔や誦経、誦呪なども行う。方等三昧は七日間、法華三昧は二一日間を一期とする。非行非坐三昧は形式や日時を問わず、日常において心のはたらきの起こるときにその心を観察するもので、日常生活すべてが修行の場となる。なお、常坐三昧は『文殊説般若経』や『文殊問般若経』に、常行三昧は『般舟三昧経』に、方等三昧は『大方等陀羅尼経』、法華三昧は『法華経』や『普賢観経』にそれぞれよっている。
【参照項目】➡四種三昧の念仏
【執筆者:横田善教】