東京都港区芝公園。東京教区№一六。増上寺山内の御霊屋おたまや別当の一つであった。正徳二年(一七一二)六代将軍徳川家宣が逝去すると、翌三年その家宣廟の西側に初代住職億道のもと別当として建立された。文化一〇年(一八一三)やや西寄りの地に移転拡張、庭泉の景観を誇り、井伊掃部頭かもんのかみなどの宿坊でもあった。明治一八年(一八八五)東京府の施策もあり現在の地に移された。
【資料】『三縁山志』三(浄全一九)、『東京市史稿』遊園篇第五
【執筆者:野村恒道】