所化役者
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょけやくしゃ/所化役者
江戸時代、増上寺の総録所にあって住職を補佐して一宗一山の宗務を執行した役職。員数は二名。増上寺役者または方丈役者、後期には幹事といわれた。増上寺で修学中の所化の上座五〇僧から世務・法務に練達した者を選出。所化役者の主務は、①幕府の制令を一宗一山の寺院と所化に伝達し、また調査諮詢事項について答申する②宗門の請願・伺・届等を幕府に伝達周旋する③法度制定の実行遵守を督励し、必要に応じて定書等を発布して一宗の秩序維持を図る④檀林所化の名簿を整理し昇進降格等を司る⑤香衣綸旨の奏請に副状を与える⑥本山・檀林・紫衣地・由緒寺院の進叙等を行う、などであった。
【資料】増上寺蔵『幹事便覧』
【参考】宇高良哲「浄土宗の触頭制度について」(『法然浄土教の綜合的研究』山喜房仏書林、一九八四)
【参照項目】➡総録所
【執筆者:𠮷水成正】