しょうみょうじ／称名寺

一

北海道函館市船見町。護念山摂取院。北海道第一教区№一。正保元年（一六四四）称誉円竜の開山。はじめ亀田村に阿弥陀庵として創建された。宝永五年（一七〇八）箱館村に移転し、明治一二年（一八七九）現在地に移る。北海道開教の中心的役割を果たす。貞治六年（一三六七）在銘の板碑（道文化財）を保存している。また択捉えとろふ島航路を開いた廻船業者高田屋嘉兵衛の墓がある。

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【参考】『大本山増上寺史』（大本山増上寺、一九九九）

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【執筆者：𠮷水成正】

二

神奈川県鎌倉市今泉。今泉山一心院。神奈川教区№一一一。もとは弘仁九年（八一八）頃に空海が諸国巡錫したときに創建した不動堂に始まるとされる。寛文三年（一六六三）寂心が改めて円宗寺として創建し、その後衰微した本堂を貞享元年（一六八四）直誉蓮入が再建し寺号を改め、元禄六年（一六九三）に増上寺末として浄土宗寺院となった。大正四年（一九一五）社会福祉施設、今泉山療養所が創立され、戦後は引揚者の収容所も兼ねていたが、現在では施設の跡はみられない。

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【資料】『蓮門精舎旧詞』一（続浄一八）

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【参考】『平成版浄土宗神奈川教区寺院誌』（神奈川教区教務所、二〇〇九）

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【執筆者：沼倉雄人】

三

滋賀県草津市矢橋町。仏願山。滋賀教区№三九〇。法然が教化した旧跡と伝えられる。村内の中村茂兵衛の祖先の鞍貫くらぬき和泉いずみは法然に深く帰依したので、法然自作の名号張抜きの肖像を与えられ、その御影を奉じて草庵を造って称名庵と号し、往生の素懐を遂げた。その末孫同名の者が信濃守のときに、足利義詮よしあきらの許しにより称名寺と号したという。正保二年（一六四五）中興南蓮社巌誉代に炎上、明治二九年（一八九六）水害により御影は壊れ、現在の像はその残紙を胎内に納めたものという。

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【資料】『蓮門精舎旧詞』二三（続浄一八）、『浄土宗寺院由緒書』中（『増上寺史料集』六）、『近江国輿地志略』四二（『大日本地誌大系』三九、雄山閣、一九七一）

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【参考】当麻堅定編『宗祖大師遺跡霊場巡拝案内記』（宗粋社、一九〇八）

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【執筆者：山本博子】

四

⇨金沢文庫（かなざわぶんこ）