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浄土布薩式

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じょうどふさつしき/浄土布薩式

二巻。内題に「浄土宗頓教一条円実大戒布薩法式」とある。伝法然撰・聖覚筆記。既に江戸時代から偽撰説が提起され、成立年次も不詳だが、内容から見て、法然のものとはいいがたく、井川定慶聖冏かそれに近い者が作したものとしている。浄土宗授戒布薩法式を記したもの。内容は①鳴鐘集衆②諸衆生可住和合念③灑水④焼香発願⑥受者発心問遮懺悔⑨入壇受戒請師正受戒証明⑬現瑞⑭説相⑮普広回向⑯受持功徳と一六の科段を配し、とくに⑪の正受戒では、戒の相承釈尊、文殊、菩提流支曇鸞道綽善導の順に伝わり、法然は夢の中で善導より相承したとする。


【所収】昭法全、続浄一三


【参考】井川定慶「浄土布薩式の検討」(佛大紀要三八、一九六〇)


【執筆者:角野玄樹】