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浄土述聞追加

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じょうどじゅつもんついか/浄土述聞追加

一巻。『浄土述聞鈔追加』とも。良暁著。奥書によれば元亨二年(一三二二)一〇月に良暁が記した書である。『浄土述聞鈔』を補足した書物であり、内容は①浄土宗事、②三経念仏与般舟経別時念仏同異事、③浄土論作願回向二門事、④道綽別時意事、⑤摂取不捨本願否事、⑥意楽起悪事、⑦阿弥陀経証誠事、⑧転女成男願事、⑨三心為大乗心事、⑩観経題事、⑪三心具有不生類事の一一箇条。尊観の教説を否定したものであるが、第一条の浄土宗事では、『浄土述聞鈔』にみられない良暁教判論が示され興味深い。良暁教判聖光良忠と差異はなく、諸行は非本願であるが往生は容認されるというもの。本書は古写本が散逸して江戸期の版本のみ残る。


【所収】浄全一一


【参考】伊藤茂樹「『浄土述聞鈔』の成立背景—良暁の念仏観—」(『佛教大学総合研究所紀要』一六、二〇〇九)


【参照項目】➡浄土述聞鈔浄土述聞口伝切紙


【執筆者:伊藤茂樹】