浄真寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうしんじ/浄真寺
東京都世田谷区奥沢。九品山唯在念仏院。通称は九品仏。東京教区№三九三。二十五菩薩来迎会を行う関東唯一の寺院。寛文五年(一六六五)珂碩の開山。『新編武蔵国風土記稿』では延宝六年(一六七八)とする。元禄一一年(一六九八)二世珂憶の代に本堂と三仏堂(上品・中品・下品)を建立、『観経』の説相により配置し、現在にいたる。本尊釈迦牟尼如来、九品丈六阿弥陀如来九体(上・中・下各三体)、木造ならびに絹本著色の珂碩像、梵鐘などすべて東京都の重要文化財。四年ごとの八月一六日に行われる二十五菩薩来迎会(俗称おめんかぶり)は、珂憶が奈良當麻寺の二十五菩薩練供養を取り入れて始めたもの。現在、都無形文化財に指定されている。七堂伽藍の整っている境内は、風教地区の指定を受け、繁茂する榧と銀杏は天然記念物に指定された都内の数少ない霊域。
【資料】『元禄寺院由緒書』五六、『新編武蔵国風土記稿』二
【参考】『新修世田谷区史』上(東京都世田谷区、一九六二)
【執筆者:宇高良哲】