一巻。法然述。三心を具足すれば必ず往生を遂げることができると説く。『和語灯録』二に収められる。『観経』『往生礼讃』の三心に関する記述を挙げ、『観経疏』の三心釈に基づいて至誠心・深心・回向発願心を解説する。特に深心に重点を置き、信機・信法、就人立信じゅにんりっしん・就行立信じゅぎょうりっしん、五番相対を論じている。深心の解説中に正雑二行の釈を用いている点で、『選択集』での扱い方との相異が見られる。
【所収】昭法全、浄全九
【参照項目】➡三心
【執筆者:渋谷康悦】