『法華経』の真意を説く方法。天台宗では『法華経』迹門正宗分しゃくもんしょうじゅうぶんの開権顕実の説相として、法説周・譬喩周・因縁周を説く。法説周は、仏が上根の人に法体に約して三乗一乗の法門を説いたことをいう。譬喩周は、仏が中根の人に譬喩に約して三車・大車にたとえて法門を説いたことをいう。因縁周は、仏が下根の人に因縁に約して妙法を説いたことをいう。真宗や浄土宗の説教の五段法は、これを中心に構成されたものである。
【参考】関山和夫『説教の歴史』(白水社、一九九二)
【参照項目】➡五段法
【執筆者:関山和夫】