一巻。『三外往生記』ともいう。蓮禅撰(俗名、藤原資基)。著者は漢詩人として『本朝無題詩』に多くの詩が収められる。保延五年(一一三九)以後の成立。書名は、慶滋保胤よししげのやすたね・大江匡房・三善為康の三名が撰述した往生伝に漏れた者を採録したという意味。往生人五三名を収載する。法華持経者が多く、かつ焼身往生者や入水往生者を記すところに特徴がある。百万遍念仏や不断念仏などによる数量功徳主義もみられる。
【所収】続浄一七、仏全一〇七、『続群書類従』八上、『日本思想大系』七(岩波書店、一九七四)
【参照項目】➡往生伝
【執筆者:吉原浩人】