さいしょういん／最勝院

一

福島県いわき市四倉町上仁井田字家の前。護念山。福島教区№三一。天正一七年（一五八九）頃、一蓮社良十讃相の開山。豪族白土隆軌が父の菩提のために建立。増上寺三六世顕誉祐天の生家新妻氏の菩提所。江戸時代後期には名越派本山専称寺の末寺として、修学を終えた僧侶を多く受け入れていた。また、八十八夜の大施餓鬼会は有名で参詣人で賑わう。じゃんがら（自安我楽）念仏の中心地でもある。

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【参考】『いわき市史』六（いわき市、一九七七）、𠮷水成正「名越派の入寺帳について—特に寮主の動向を中心として—」（『三康文化研究所年報』三七、二〇〇六）

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【参照項目】➡じゃんがら念仏踊り

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【執筆者：𠮷水成正】

二

東京都港区芝公園。東京教区№二〇。増上寺山内の八別当の一つであった。徳川秀忠室で篤信の念仏者であった崇源院すうげんいんの御霊屋おたまや（創建時の本殿などは、正保四年〔一六四七〕に鎌倉建長寺へ移築、現存〔国重要文化財〕）の別当寺院。初代願秀の寛永三年（一六二六）当時は最勝軒とされたが、のちに最勝院となる。寛保元年（一七四一）より天英院（徳川家宣室）の別当職も兼ね、秋田山城守・小笠原相模守・井伊右京大夫の宿坊でもあった。安国殿あんこくでん（徳川家康廟）の南東に近接していたが、明治二〇年（一八八七）現在地に移転。

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【資料】『三縁山志』三（浄全一九）

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【参考】『東京市史稿』遊園篇第六（東京市、一九三六）

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【執筆者：野村恒道】