紺色に染めた料紙に金泥で経典の本文や仏画を描くこと。通常、装飾経の一種である紺紙金泥経、またその見返絵みかえしえを指すことが多い。つまり仏殿に金色の仏を安置する荘厳意識に基づき、紺紙の表紙には金銀泥で宝相華文ほうそうげもんを配し、見返しに釈迦説法図を、そして料紙の界線にも金を施す紺紙金泥経である。浄土思想の普及に伴い、作善のための写経が盛行する。『法華経』をはじめとして神護寺経や荒川経あらかわきょうなどの一切経が有名である。
【執筆者：多川文彦】
