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極楽願往生歌

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごくらくがんおうじょうか/極楽願往生歌

一巻。西念撰。康治元年(一一四二)作。往生極楽を願う心情を詠んだ和歌集。沓冠くつかぶり歌の手法をとり、各和歌の第一文字と最終文字にいろは歌の四七文字を一文字ずつ詠み込んだ四七首と別和歌一首の計四八首からなり、いろは歌の古史料として関心が寄せられている。また本書収録の和歌からは西念の瑞夢に対する関心の深さが見て取れ、院政期における浄土願生者の信仰に夢が大きく関わっていたことが指摘される。なお明治三九年(一九〇六)に京都大龍庵より発見された西念自筆本が東京国立博物館に所蔵されている。


【所収】山田巌・木村晟編『極楽願往生歌 明恵上人歌集 本文と索引』(『笠間索引叢刊』四三、笠間書院、一九七七)


【参考】笹田教彰「『極楽願往生歌』の浄土観」(『国文学解釈と鑑賞』五五—八、一九九〇)


【執筆者:石上壽應】