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国学

提供: 新纂浄土宗大辞典

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こくがく/国学

江戸時代中期に起こった、『日本書紀』などの古代文献の研究によって、日本人の道(古道・神ながらの道)を捉えようとする学問。真言僧で古典学者の契沖けいちゅう(一六四〇—一七〇一)に始まり、『万葉集』の研究を行った荷田春満かだのあずままろ(一六六九—一七三六)と賀茂真淵かものまぶち(一六九七—一七六九)に継承される。大成者である本居宣長(一七三〇—一八〇一)は、『源氏物語』に基づく「もののあわれ」論を提唱し、「神ながらの道」を展開して、排仏論を唱えた。宣長没後の門人である平田篤胤(一七七六—一八四三)は、天之御中主神あめのみなかぬしのかみを最高神とする復古神道を展開した。平田派国学は、倒幕の尊皇攘夷イデオロギーとして全国の郷村指導層に普及し、明治維新後の神仏分離廃仏毀釈を導いて、国家神道の淵源となった。国学では、仏教儒教が伝来する以前の日本には質朴真実な古道があったとし、仏教は外国の教えであり、出家することは人間自然の性情に反するとみなして、激しい排仏論を主張する。国学宗教的性格を強めた近世後期には、黄泉よみの国という独自の来世観を打ち出し、仏教浄土を否定した。


【参照項目】➡神仏分離廃仏毀釈


【執筆者:西村玲】