二巻。良忠撰。巻末に「壬午一二月中、下旬然阿ねんな」とあることから、弘安五年(一二八二)良忠八四歳に撰述されたと考えられる。道綽の『安楽集』を注釈したもの。上巻では『安楽集』一二大門のなか第二大門第二「異見邪執を破す」の八「十方西方を校量す」までを解釈し、下巻では九「別時意を会通す」から一二大門までの内容を解釈している。写本は千葉県大巌寺蔵(鎌倉末)があり、版本には寛永五年(一六二八)の古活字版、同一八年版などがある。
【所収】浄全一
【執筆者:佐藤健】