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安楽集纂釈

提供: 新纂浄土宗大辞典

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あんらくしゅうさんしゃく/安楽集纂釈

二巻。円諦撰。道綽安楽集』の注釈書。撰者の伝歴は明らかではないが、万福寺一七世とされる。本書は良忠『私記』、良栄理本『私記見聞』、知空『鑰聞やくもん』、貞準『新鈔』を引用して注釈を加えている。また『安楽集』各本における字句の異同をも記している。これらに使用される末書は『安楽集玄譚』の巻末に挙げられたものである。また大意、釈名、釈文と次第する講式の規格からすると、釈名と釈文のみで大意の部分が欠けている。『玄譚』は逆に大意のみで釈名、釈文を欠いていることとなる。すなわち『玄譚』と『纂釈』は同一撰者と推定され、何らかの事情で別行したのであろう。写本が大正大学にある。


【所収】続浄六


【参考】藤堂恭俊「『略論安楽浄土義』と『安楽集』の末疏について」(『浄土宗典籍研究』山喜房仏書林、一九七五)


【参照項目】➡安楽集玄譚


【執筆者:曽和義宏】