二巻。『向阿上人絵詞伝』ともいう。撰述者は不詳。良忠門下礼阿然空の跡を継いで一条派を確立した向阿証賢の伝記。向阿が清浄華院より隠栖した洛西西光庵に本書はあったが、のちに絵を古礀こかん、書を林観雲竹が転写して仁和寺孝源の跋文を附した絵詞伝を、小松谷承柳が得て天明七年(一七八七)に刊行した。巻末に清浄華院五五世聖道の序、承柳の刊行縁起を所載する。
【所収】浄全一七
【参照項目】➡向阿
【執筆者:福田行慈】