小松谷
提供: 新纂浄土宗大辞典
こまつだに/小松谷
京都市東山区上馬町・下馬町・瓦役町の辺りから西大谷に至る地名。平重盛の阿弥陀堂(灯籠堂)や九条兼実の別邸が営まれ、専修念仏停止の運動が表面化する頃に、法然が移り住んだ「小松谷御坊」のあったところとされる。享保二〇年(一七三五)義山の弟子恵空が「小松谷御坊」の遺跡と伝える地に正林寺を再興した。ただ、小松谷の地名は兼実が月輪殿を営んだ九条の法性寺の一角(東山区今熊野南谷町辺り)にもあり、「小松谷御坊」をこの地とする説もある。
【資料】『翼賛』四九、『京都坊目誌』(『新修京都叢書』二一、臨川書店、一九七〇)、「法性寺御領山指図」(西岡虎之助編『日本荘園絵図集成』上、東京堂、一九七六)
【参考】髙橋昌明「平重盛の小松殿と小松谷」(『日本歴史』六七二、二〇〇四)
【参照項目】➡正林寺
【執筆者:山本博子】