一巻。了月撰。文明一六年(一四八四)成立。浄土宗における伝法上の問題点をめぐる一連の論争の書の一つ。聖聡の弟子の了暁が著した『授手印請決』一巻に対して、その信法半印・伝法両印の説を批判したのが本書である。本書に対して了暁の弟子の愚底が延徳二年(一四九〇)に『授手印請決清濁』一巻を作って反駁した。これに対し、さらに了月は『破清濁』を著して愚底の説を難じた。
【所収】『伝灯輯要』下
【参照項目】➡破清濁
【執筆者:宇高良哲】