ある事物の使用、実践、活動などにより一定の成果がもたらされるような、その事物特有の能力、期待されるべき効能。『観経疏』散善義の「正しく念仏三昧の功能超絶して、実に雑善をもって比類とすることを得るに非ざることを顕す」(聖典二・三二三/浄全二・七一)などが一例である。また力能(Ⓢśakti)や可能力(Ⓢsāmarthya)などの訳語。法相宗などの伝統では「くうのう」と読み、特に種子は功能差別と呼ばれる(『成唯識論』七、正蔵三一・四〇上)。
【参照項目】➡功徳
【執筆者:小澤憲雄】