空寂
提供: 新纂浄土宗大辞典
くうじゃく/空寂
一二世紀後半~一三世紀前半、生没年不明。法然の門弟。『七箇条制誡』において、元久元年(一二〇四)一一月九日、一六八番目に署名し、また諸行本願義の覚明房長西の系譜に名を連ねる。初め生馬大聖竹林寺に住み、六字名号を「南無(自力)」と「阿弥陀仏(他力)」に分け、半自力半他力義を唱えた。『無量寿経』に五巻の疏、善導『観経疏』に八巻の疏、元照『阿弥陀経疏』に三巻の鈔等多くの章疏を作るが伝わらない。
【資料】『源流章』『総系譜』下『法水分流記』(共に浄全一五)
【参考】野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』(青史出版、二〇〇四)、中野正明『増補改訂法然遺文の基礎的研究』(法蔵館、二〇一〇)
【執筆者:南宏信】