きょうかたびら/経帷子
死者が納棺に際して身につける白の木綿を用いた裏地のない衣服。五重相伝や授戒会の受者が身にまとう「浄衣」や、巡礼や遍路が霊場巡りの道中衣として着る「笈摺」と区別していう語。広義では「浄衣」も「応法妙服」の文や「衆生受仏戒」の文などが書かれるので経帷子の一種である。経帷子は、死装束の一つとして着物一面に経文が書写されたもので、経衣ともいう。縫い針は返し縫いをしない、糸は留め結びをしない、などの約束ごとが語り継がれている。
【参考】五来重『葬と供養』(東方出版、一九九二)、清水秀浩「浄土宗法式雑考(八)経帷子の心得」(『教化研究』四、一九九三)
【参照項目】➡浄衣、応法妙服自然在身
【執筆者:清水秀浩】