一巻。永観撰『往生講式』の別名。永観の講式は、大覚寺蔵室町時代後期写本や高野山大学蔵大永五年(一五二五)写本で『阿弥陀講式』と呼ばれるが、その他多くの写本・刊本は『往生講式』と題されている。勝林院(『魚山叢書』七八)の嘉永元年(一八四八)写本(永享八年〔一四三六〕弁覚書写の再写)や東大寺図書館の天文五年(一五三六)写本(継祐書写)なども『阿弥陀講式』として伝わっているが、永観撰『往生講式』とは別系統のものと目され、また伝空海撰『阿弥陀式』(『弘法大師全集』五)も別本である。
【参照項目】➡往生講式
【執筆者:石上壽應】