一九巻(あるいは二〇巻)。『秘抄私記』『私記』『鵜野記』ともいう。行観私記。善導『観経疏』の注釈書。玄義分は正安四年(一三〇二)七月一五日、散善義は元亨元年(一三二一)一一月一三日に武蔵国鵜木うのき光明寺宝幢院にて成立。証空—浄音—観智—行観と相承する西山流西谷義の立場から、二尊一教・五祖一轍を主張し、「廃立・助正・傍正」等の特殊名目を用いて善導『観経疏』を解釈している。
【執筆者:稲田廣演】