前田聴瑞著。大正一五年(一九二六)金尾文淵堂刊。雑誌『法輪』(一音社)に「阿弥陀経講話」と題して連載されたものを、『阿弥陀経』の入門書との立場でまとめた書。その内容は、まず序講として『阿弥陀経』の緒論を述べ、続いて本講を一〇項目に分け、経題・訳者・序分・正宗分・流通分の順序で解説している。また各項においては、和訳・分科・字解をした上で講話がなされている。最後に附録として『阿弥陀経』の本文と和訳、および新旧(玄奘・鳩摩羅什)両訳の対照を挙げている。
【執筆者:伊藤瑛梨】