大胡太郎実秀へつかわす御返事
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:21時点における192.168.11.48 (トーク)による版
2018年3月30日 (金) 06:21時点における192.168.11.48 (トーク)による版
おおごのたろうさねひでへつかわすおへんじ/大胡太郎実秀へつかわす御返事
法然が大胡太郎実秀に宛てた返信。文末に三月一四日とあるが具体的な年号は示されていない。『和語灯録』では、「大胡の太郎実秀が妻室のもとへつかわす御返事」を正治元年(一一九九)のものとするから、この返事もそのころのものと考えられる。内容はまず三心のことについて言及し、三心それぞれを説明する。次に念仏者の臨終について説き明かし、念仏者の臨終が悪いことは「おおかた候まじきなり」(昭法全五二一)とし、また日ごろ称える念仏によって仏の来迎があることを述べる。さらに五種正行について言及し、正行を修する者は必ず往生すると述べる。最後に雑行を修する者を非難してはならない旨を述べ、まず自分が往生を遂げ、その後この世に帰ってきて人々を導こうと思うべきであるとしている。
【所収】聖典四・三九五~四〇七、昭法全五一四~二七、法伝全四一五上~二一上
【参考】安達俊英「御法語の背景—法然上人典籍研究」三五—七(『宗報』平成一六年二月号~四月号)
【参照項目】➡大胡消息
【執筆者:石田一裕】