ちんじゅ/鎮守
土地や建物を災厄から守護する神。もとは仏教寺院の守護神として勧請されたもので、東大寺に八幡宮が勧請されたのが早い例であり、興福寺には春日明神、比叡山には山王権現が祀られた。後に鎮守神は荘園・城砦・邸館などに祀られるようになり、室町後期には村落の神社を鎮守と呼ぶことが珍しいことではなくなっていた。近世以降は、氏神・産土神が鎮守と称されることも多くなり、現在では地域の氏神を鎮守と呼ぶことも多く、その違いが明瞭化されていない場合が多い。
【参考】萩原龍夫『中世祭祀組織の研究 増補版』(吉川弘文館、一九七五)
【参照項目】➡山王神道、氏神、産土神
【執筆者:名和清隆】