伝灯師あるいは伝戒師の両脇に侍する役職をいう。伝法道場の正伝法前伝(要偈道場)と正授戒のときには脇師といい、通常法要のときには脇導師(左・右導師)と称する。正伝法前伝では、左脇師が文殊菩薩(左方『安心請決』)・右脇師が普賢菩薩(右方『制誡』)の名代として出座している。正授戒では、左脇師が文殊菩薩(左方羯磨師『梵網菩薩戒経序』)、右脇師が弥勒菩薩(右方教授師『請師』)の現前の師として出座している。脇導師は導師に随従して補佐する役であるが、脇師は菩薩の名代として出座するのでこの名を称する。
【参照項目】➡脇導師
【執筆者:廣本榮康】