蓮台
提供: 新纂浄土宗大辞典
れんだい/蓮台
一
蓮華を模した台座。仏像の台座で、蓮の花をかたどったもの。また、極楽浄土に往生する者が乗る台。浄土系の仏像や仏画では、阿弥陀仏の脇侍である観音菩薩が蓮台を両手で捧持している姿を意匠とすることが多い。法然が晩年、讃岐国に流罪になった際に九条兼実へおくった返歌「露の身は こゝかしこにて きえぬとも こゝろはおなし 花のうてなそ」の「花の台」はこの蓮台を意味している。
【資料】『四十八巻伝』三四
【執筆者:大嶋憲彰】
二
もっとも一般的な仏・菩薩の台座形式で、開花した蓮花をかたどったもの。ヒンドゥーの神々の台座としても用いられている。インドで蓮は聖なるものを生み出す神秘的な力を秘めていると考えられたことから台座のデザインに採り入れられた。基本は上向きの仰蓮であるが、下向きの反花と組み合わせて二段としたものが多い。日本や中国では、時代とともに仰蓮と反花の間に敷茄子を重ねたり、最下段部に框を付けるなど装飾性が増し、複雑化した。
【参照項目】➡台座
【執筆者:近藤謙】