二巻一冊。旭端ぎょくたん撰。享保一五年(一七三〇)成立。同一六年刊。近江勝安教寺版。鳳ほう潭󠄂たんの『念仏往生明導箚みょうどうさつ』を批判したもの。そのなか即心念仏に関する議論は天台宗の学徒に譲るとして、本書は専ら、浄土の祖師の著述へ投げかけられた疑問を糺ただしている。上巻は曇鸞の『往生論註』、下巻は善導の『観経疏』玄義分に関する疑念の氷解に尽くしている。
【参照項目】➡念仏往生明導箚
【執筆者:能島覚】