仏堂において、本尊を安置する須弥壇の後方に位置する壁(来迎壁らいこうかべ)の左右に配された二本の丸柱のこと。元来は須弥壇を四本の柱が囲み、四天柱してんばしらと呼ばれる形式をとっていた。それが平安末期以降に前方の柱二本が省略されるようになり、後方の柱二本が残された。来迎柱は、ほかの柱よりも太くつくられ、彩色や飾金具などで豪華に装飾されるなど特別な意匠を呈する。それは、須弥壇や来迎壁とともに堂内を荘厳に飾る重要な部材とみなされているからである。
【執筆者:中村琢巳】