融通寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
ゆずうじ/融通寺
福島県会津若松市大町。自然山浄縁院。福島教区№八八。知恩院末。融通念仏宗の開祖良忍の弟子浄縁の開山。初め同市河東町冬木沢に天台宗寺院として建立。芦名氏が治めた中世に小館(同市本町)に移り、後に浄土宗へ改宗。蒲生氏郷(一五五六—一五九五)の治世に現在の地に移転した。慶長九年(一六〇四)一三世文誉のとき勅願寺となり、後陽成天皇より木造扁額と宸筆の和歌を賜る。また、徳川家康と娘振姫の位牌が安置され、蒲生・保科(松平)時代寺領二〇〇石を与えられている。戊辰戦争では勅願所のため戦禍を免れ、新政府軍の参謀府・西軍戦没者墓地・県庁が置かれた。会津一帯に普及した会津大念仏の中心的寺院でもある。木造扁額「融通寺」は県重要文化財。
【資料】『蓮門精舎旧詞』四八(続浄一八)、『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)、『新編会津風土記』一五
【参照項目】➡会津大念仏
【執筆者:渡部伸一】