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会津大念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

あいづだいねんぶつ/会津大念仏

会津地方の各地で行われている念仏踊り。会津地方には平安期に空也念仏融通念仏が伝えられたが、それが徐々に民間に広まっていき、文化・文政年間(一八〇四—一八三〇)の頃に広く人々に普及していった。福島県喜多方市熊倉町の安養寺を中心とした北方と、同県大沼郡会津美里町の地蔵尊で行う南方とに大きく区分され、かつては二四組の講があり四月から九月にかけて日を定めて行われていた。念仏踊りは、内念仏と呼ばれる勤行が行われた後に始まり、浴衣姿の踊り手は、払子ほっすのついたばちで打たれる太鼓、また笛や鉦の音に合わせ、位置の移動をしないで手のひらを静かに返すようにして左右に振って踊る。踊りに興を添えるように、おかめやひょっとこの面をかぶった道化が登場し、様々なおどけた身振りをして観客を笑わせる。現在は喜多方市熊倉町の小沼、塩川町中ノ目、湯川村勝常で行われており、これら三つがまとめて会津大念仏摂取講として福島県の重要無形民俗文化財に指定されている。


【参考】『福島県史二三・民俗一』(福島県、一九六四)、高橋貞夫『あいづ祭り歳時記』(歴史春秋出版、二〇〇二)


【執筆者:名和清隆】