師が弟子に、文書として文字などで記すことなく、直接口伝えに仏法の奥義を伝授することをいう。面受相承ともいう。伝法の伝え方は、経巻により伝えられる依憑えひょう相承という書伝、師の口から言葉により伝えられる直受相承という口伝、師の信仰体験といった超越の次元から伝わり伝えられていく心伝とがある。浄土宗においては善導・法然の夢定中の面受相承を経て、聖光、良忠へと続く三代相承を説き、今日まで師より口伝えに法門が伝授され、璽書道場、伝宗伝戒道場、五重相伝など必ず口授をもって伝えられている。
【参照項目】➡口伝、直受相承、依憑相承
【執筆者:慶野匡文】