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曼陀羅相承

提供: 新纂浄土宗大辞典

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まんだらそうじょう/曼陀羅相承

浄土宗西山派において行われる当麻曼陀羅に基づく相承証空當麻寺の曼陀羅が善導の『観経疏』を指南として織り表されていることを発見する。仁空実導の『善慧上人絵』(『西山上人縁起』)によると、証空が実信房蓮生れんしょう等の弟子を伴って、當麻寺に参詣したのは寛喜元年(一二二九)三月二六日とある。証空が五三歳のときである。当麻曼陀羅との出会いに感動して証空當麻寺に田地の寄進をし、また二十五菩薩来迎会を始行したとされる。さらに証空は『当麻曼陀羅註記』一〇巻を撰述したと伝えられる。この縁由により浄土宗西山派において曼陀羅に関する特別な相承が行われる。その趣旨は『当麻曼陀羅註記』により、当麻曼陀羅の拝み方の内容を伝えている。つまり、当麻曼陀羅の絵相により、『観経』の教旨の真意を相承するのである。証空は、『観経』の阿弥陀仏極楽浄土について、当麻曼陀羅絵解きを通して説示した。さらに証空当麻曼陀羅の図絵を模写させて諸処に施与したと伝わる。証空以後にも弟子の道観証慧当麻曼陀羅を掲げて法義を語り(『平戸記』寛元三年〔一二四五〕正月二六日条)、その後は曼陀羅堂を構えて演説がなされた記録もある。このような事実からの曼陀羅相承である。


【参照項目】➡当麻曼陀羅


【執筆者:中西随功】