証慧
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょうえ/証慧
建久六年(一一九五)—文永元年(一二六四)五月三日。字は道観。西山六流の一つ、嵯峨流の流祖。文章博士藤原孝範の猶子。はじめ東山義の流祖証入に学び、のち証空に師事して西山教義の奥義をきわめた。後嵯峨天皇は証慧の名声を聞き、嵯峨小倉山に浄金剛院を建立して開基とした。このことから嵯峨流、あるいは小倉義と呼称されるようになった。『浄土宗名目』二巻、『当麻曼陀羅縁起』一巻などの著述がある。弟子に実道、道念、円道、尊道、覚道らがいたが、室町初期に法灯は絶えた。
【資料】『源流章』(浄全一五)、『法水分流記』(野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』青史出版、二〇〇四)
【参照項目】➡嵯峨義
【執筆者:伊藤正順】