万善の妙体
提供: 新纂浄土宗大辞典
まんぜんのみょうたい/万善の妙体
あらゆる善根を行じることによって、仏となった報仏果得の身体のこと。聖覚の『大原談義聞書鈔』に示された「至極大乗の意は体の外に名なく、名の外に体なし、万善の妙体は名号の六字に即し、恒沙の功徳は口称の一行に備う」(浄全一四・七六〇上/正蔵八三・三一五上)による。聖聡はこれを『大原談義聞書鈔見聞』に「名号に万善の功徳を集ることを明かす。是れ帰趣の義に当る。亦た上は一法句を主と為して二十九句を出すが如く、今は二十九句を主と為して一法句に帰するに似たり」(浄全一四・七七四下)と、名号と万善のかかわりを曇鸞の三種二十九句の荘厳相と入一法句の関係に則して解釈し、口称念仏の功徳の大きさを示している。
【執筆者:加藤芳樹】