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絵巻

提供: 新纂浄土宗大辞典

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えまき/絵巻

料紙をつなぎ横長に展開する巻物に描かれる絵と、それに対応する詞書から構成される絵画作品のこと。「絵巻物」「絵詞えことば」と称することもある。「絵巻」という語自体は近世に成立し、絵巻が量産された古代中世においては「○〇絵巻」と称さず、「○〇絵」と称することが一般的であった。絵巻の源流は中国における画巻が原初形態の一つであり、『絵因果経』のように経文の上部に絵を加える作例が奈良時代において舶載はくさいされていたと考えられる。その後、日本固有の画題を大和絵の技法を用いて描き、詞書を和文として収録し、『源氏物語絵巻』をはじめ洗練された多数の作品が成立した。特に各宗寺院においては『四十八巻伝』や『親鸞伝絵』『一遍聖絵』など宗祖の生涯を絵画化し、布教教化の手段として積極的に利用した。また『釈迦堂縁起』や『石山寺縁起』『北野天神縁起』など寺社の縁起や神仏の霊験も盛んに絵画化され、多数の作品を生み出した。


【参照項目】➡絵詞


【執筆者:多川文彦】