ぶつみょう/仏名
仏の名前のこと。「仏名経」とよばれる経典群には、過去・現在・未来の諸仏の名を称えれば大きな功徳があるとして、数千万の諸仏名が羅列されている。中国仏教では、「仏名経」を用いて仏名を礼誦して自己の罪過を仏前において発露するという懺悔儀式が行われていた。浄土教で仏名といえば、一般に阿弥陀仏の名を指す。『観経』下下品には「至心に、声をして絶えざらしめ、十念を具足して、南無阿弥陀仏と称す。仏名を称するが故に、念念の中において、八十億劫の生死の罪を除く」(聖典一・三一二/浄全一・五〇)とあり、称仏名号による滅罪を説いている。
【参照項目】➡仏名会、仏名経
【執筆者:工藤量導】