仏眼
提供: 新纂浄土宗大辞典
ぶつげん/仏眼
仏の眼。Ⓢbuddhacakṣus。『観経』の仏身観には「仏眼は四大海水のごとし。清白分明なり」(聖典一・三〇〇/浄全一・四三)と説かれる。また修行によって得ることのできる五種の眼力(五眼=肉眼・天眼・慧眼・法眼・仏眼)のうちの最高位のものとして位置づけられ、他の四つの眼力をすべて兼ね備える。『大智度論』三三によれば、「この仏眼は事として聞かざる無く、事として見ざる無く、事として知らざる無く、事として難しと為すること無し。思惟する所なけれども、一切法の中に仏眼は常に照らす」(正蔵二五・三〇六上)と解説される。『無量寿経』は、極楽の菩薩が五眼すべてを具足することを説く(聖典一・二五八/浄全一・二二~三)
【参照項目】➡五眼
【執筆者:市川定敬】