時宗において「南無阿弥陀仏 決定往生六十万人」と記した念仏札を配ること。御化益ごけやくともいう。賦は「配る」、算は「念仏札」の意。時宗の開祖一遍が受けた熊野権現の神託にもとづく。一遍は六〇万人の人々、さらには一切の衆生に配ることを念願し、生涯のうちに二五万一千余人に配り歩いたとされる。時宗はこの賦算と踊り念仏によって大いに発展した。現在、時宗法主の遊行上人だけが賦算を行うことができ、総本山である清浄光寺(神奈川県藤沢市)の諸行事や全国各地に出向いて行われている。
【参照項目】➡遊行、時宗
【執筆者:編集部】