一巻。敬首きょうじゅ撰。元文五年(一七四〇)述。布薩戒を宗門の一大事の戒とする立場に対して、法然は円頓戒を閣さしおいて布薩戒を弘伝する等の妄説、邪説が後世に廃斥、滅却されることを望んでいるとして書かれたもの。まず布薩の音訳について示し、次に総翻、布薩の三事、別翻について示し、布薩の本来の語義を解説する。後に或問を添えて、布薩の総翻である清浄、五戒と八戒の相違、八戒と布薩戒、「布薩」を「普済」と当てること、半月はんがつ説戒と半月布薩の五つに関して論じ、布薩と五戒等の戒が異質であることを示す。
【所収】続浄一三
【参照項目】➡布薩戒
【執筆者:髙津晴生】