四巻。輪超撰。寛文七年(一六六七)成立。同九年刊。西山派南楚の『布薩式弁正』に対して反駁したもの。内容は、大意として鎮西流に独自の十六章戒儀があるとし、伝承する古本戒儀を数本挙げ、それらの相承次第を示す。次いで、『布薩式弁正』に指摘されている文を挙げながら一々に反論を加える。本書において布薩戒は称名念仏を増長させる助業としての戒法であると示し、その法式書である『浄土布薩式』には後学者の加筆が認められるものの十六章段の大綱は法然の所述であるとする。
【所収】続浄一三
【参照項目】➡布薩式弁正、浄土布薩式
【執筆者:髙津晴生】