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回向偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

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えこうげ/回向偈

各宗合同で行う追悼法要などで、読誦等の功徳を振り向け成仏を願う回向文として用いる偈。「願以此功徳がんにしくどく 普及於一切ふぎゅうおいっさい 我等与衆生がとうよしゅじょう 皆共成仏道かいぐじょうぶつどう」(正蔵九・二四下)。『妙法蓮華経』化城喩品に出る。修した読誦等の法要功徳を、あまねく一切に及ぼし私も衆生も共に皆が仏道を成就することを願い回向する意。浄土宗法要では念仏回向回向文として「総回向偈」を用い往生を願う。『諸回向宝鑑』二(二九オ)と『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』下(四七オ)に「諸宗回向文」として取り上げられていたが、後に『法要集』となってこの偈題で再び取り上げられた。東京教区教化団は諸宗のまとめ役として、昭和三九年(一九六四)にこの回向偈を用いた折本の『各宗要経』を発行し、各宗合同追悼法要等の利用に供した。この場合は、すべての経文のあと、すなわち四弘誓願の後に回向する。


【参照項目】➡総回向偈


【執筆者:巖谷勝正】